プリンセスと学園の法則
---二年前---【瑠流】


「うわぁー…
最悪!!超ザーザー降りじゃん」


その日は突然の雨であたしは傘を持っていなかった。


「おい!!お前傘持ってないの?」


「え??」


そこに現れたのが湊だった…。


明らかに不良っぽかった湊。


耳にはいくつものピアス。指にはシルバーリング。
髪なんてメッシュが入ってた。


「ほら、俺の傘貸してやるよ!!」

「でも…!!」

「いいって!じゃあな?」

土砂降りの中に彼は姿を消した。

「あの、名前は?」


「高木湊--タカギミナト--!!」


名前しか知らなかったけどあたしは湊に会えるのを毎日待った。


傘を貸してくれたあの場所で…


それから数日たったある日。


いつものように会えるのを待っていたらやっと現れたんだ。


二回目の再開も雨で、ずぶ濡れになった湊。

あたしは思い切って声をかけた。

「湊くん??」


「…あぁ!!この前の傘貸した子??」


覚えててくれた…


あたしにはそれが何よりも嬉しかったんだ。




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