プリンセスと学園の法則
●○梨緒○●


花風瑠流…



瑠流チャンの目的は何だろう?



あの時の湊を見つめる悲しそうな瞳があたしには忘れられなかった。



一体あの子の心にはどれ程の闇があるんだろう?


あたしには瑠流チャンがそんなに悪い子にはどうしても思えないんだ。



あんな寂しそうな顔をするんじゃなくて、笑ってほしかった。



瑠流チャンの心にある闇から救ってあげたい。



あたしはいつしかそう思うようになった…。



「……緒、おい、バカ梨緒!!」


「ぅわ!!!
ビックリしたぁ…」

目の前に大きく映る湊の顔。


「何ボケッとしてんだ、早く行くぞ!!」


「え?どこに!?」



「ん?イ・イ・ト・コ♪」


―――ゾワァァァ


あたしの背中に何か気持ち悪い物が走った。



「おい、何だよノリ悪ぃなぁ…!」


「ごめん!

さっきのキモくって…」



「んだと!テメェー!!

罰としてキス100回の刑にすんぞ?」


なな、なんて恐ろしい罰…

「ごめんなさいー!!(泣)」



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