プリンセスと学園の法則
思わずしげみから顔を除かせた。
「おい、何してんだよ!?
バレるだろ?」
湊が小さい声で注意して、あたしは突然抱き寄与せられた。
――ドキ!
な…何今の!?
あたしの心臓の動きが速く、大きく鳴り出す。
湊の腕の中にいるあたしは思うように動けなくて、
その体制のままなんとか気持ちを抑えることに専念した。
なにこのドキドキ…
あたしどうしちゃったの!?
湊の腕はあたしが思ってたよりずっと大きくて
力強くて…
暖かい。
見上げた湊の顔が妙に大人っぽく逞しく見えた。
湊はいつの間にか
あたしを置いて、大きくなっていた。
身長も、心も……
そしてあたしのはっきりとした今の心の変化。
それはあたしが湊を、
“男子”じゃなくて、
一人の“男”として見るようになった事だ……。