プリンセスと学園の法則


すると耳に入ったスピーカーから聞こえる誰かの会話。



まさかあの時の――?


「湊、知らない?」

新聞部の人に聞くと、放送室を指差した。


「多分あそこにいると思います」



「ありがとう」



皆が言っていたのはこの事かな?


あたしの為に――…


皆必死で真実を証明しようとしてくれたんだ…。



今度は階段を登った。


湊も葉瑠も玲音も光も空も……



皆――…


ありがとう。


あたしはこんなに沢山の人に守られ続けてきたんだね。



選挙は明日だ。


絶対無駄にしないからね。


――バン!!


「湊!?!?」


放送室のドアを勢いよく開けたらカセットテープを片手に湊が振り向いた。




「あ、梨緒?」


「もう!!
『あ、梨緒?』じゃないわよ!
湊のバカー!
格好つけすぎだっつーの」


緩む表情を頑張って引き締めた。



「驚いた?(笑)」


「うん、めちゃめちゃ驚いた!」




< 90 / 224 >

この作品をシェア

pagetop