プリンセスと学園の法則


それからあたし達三人は食堂で水を飲み、部屋で制服を着て準備をした。



いつもなら四回折っているスカートも今日は何となく二回折りにした。


そう言えば、今日は一度も湊に会ってないな……


その時ふと目に入った壁の穴。


あたしは湊の部屋に繋がる穴を静かに覗いた…。


その先に待っている光景なんて考えもしずに。



ゆっくりゆっくり目を近ずけていく。


――ビックリさせてみよっかなー♪


するとその穴から見えた湊の姿。


「――みな…と…??」


そこにはもう一人、長い髪をした女の子の影が映った。



「俺、き………てたよ…」

何かを話している様だけどよく聞こえない。



――湊は誰と何を喋ってるの??



「なら…ど……して?
に……ん前、あたしを置いて行ったの!?!?」


耳を近ずけたら何となく聞こえた。

それは紛れもなく瑠流チャンの声。

信じたくない人の声だった。

でも……

置いて行ったってどうゆう事?




そこにはあたしの知らない、入る隙間もない

二人だけの"過去"があった……




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