プリンセスと学園の法則
「……いいぞ?」
「ねぇ湊。
あたし、さっきの話全部聞いてた」
湊は少し驚いた表情をしたけどすぐに戻った。
「そっか…
んで何?」
「――…終わらせてあげなよ?」
「はッ??」
「瑠流チャンにちゃんと話してあげなよ。
湊が思ってる事…」
本当は嫌だった。
瑠流チャンの所なんて行ってほしくなかった。
だって、行ってしまったら
湊が二度と戻って来ないような気がしたから――…
「――…悪いな
今日、大事な日なのに…
ちゃんと終わらしてくるから、戻ってくるから少しだけ待ってろ!!」
「うん、待ってる!!」
湊が笑うからあたしも笑った。
背中を向けて歩いていく姿をあたしはずっと見ていた…。
――信じてる
なのに…
なんでだろう?
涙が出てくる。
湊の大きな大きな背中が
だんだん小さくなってゆく。
小さくなれば小さくなるほど涙が零れる。
「梨緒は馬鹿だなー…
なんで行かせたの?」