プリンセスと学園の法則


「――葉瑠…!!」


「梨緒は優しすぎるよ。

行かせなければずっと一緒にいれるのにさ…

梨緒は隠れていつも一人で泣いてる。
俺だったら――…

泣かせないよ」


「……」


「分かる??
この状況。

湊とライバルの俺にとっては、かなり有利な立場なんだけど?」


――湊とライバル?


それって……


「言ったよね?
俺、梨緒の事本気で好きなんだけど?」


「でも……
葉瑠って恋人いるんでしょう?
葉瑠の部屋に写真飾ってあるじゃん!」


「いないよ…
それは昔の写真。

アイツは―…
もういないんだ

死んだんだよ」


「え……」


"死んだ?"

葉瑠の恋人だった人が?


「梨緒……
忘れさせてくれよ?」




――パシン!!!!!



あたしは葉瑠の頬を引っ張たいた。


「葉瑠、どうかしてるよ!!
こんなの、いつもの葉瑠じゃない……

まだ好きなら無理矢理忘れようとする必要なんかないじゃん!!

好きなままでいればいいじゃん!!」




「梨緒……
ごめん、俺どうかしてた。今日は大事な日なのに…」



< 96 / 224 >

この作品をシェア

pagetop