さくらの季節


竜二の手が私の胸に触れた瞬間――――…





忘れてた嫌なことを思い出してしまった





あれは中学の時の修学旅行の船の中





船酔いしたことが無かった私が酔ってしまい船で一晩寝ないといけなかったのに眠れなくて





友達と二人





甲板近くの風通しのよいベンチに座った





気持ち良い風に吹かれて船酔いも落ち着きいつの間にか二人ともそこで寝てしまっていた




誰かがいる…





誰かが私の体を触ってる





びっくりして…





目を開けた





私の目の前には知らない男の人が…





私の体の上に覆い被さってる





私は友達の名前を必死に呼んだ





何度も





何度も






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