さくらの季節


それから正式な辞令が出るまでの一ヶ月





竜二は少しずつ荷物を大阪へ送り準備をしていた





私達二人は休みの日だけではなく平日も少しでも時間を作って逢っている





毎日逢うと離れたくなくて門限ギリギリまで帰れなかった





休みの前夜は必ず寮を抜け出して





お互いの「好き」をどんどん深めていった





この頃に二人で桜を見に行った





毎年桜の時期にはお花見をしていたけど、この時ほど切なくて寂しい気持ちで見たことはない




その桜の木の下で竜二と約束をした





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