さくらの季節


吉野さんが「今から寮に行っても晩御飯に間に合わないので何処かで食べてから行きましょう」って言って途中でお蕎麦屋さんに寄った





注文したお蕎麦が出てきて食べようとしたら手が震えてお箸が上手く使えない



あれ?どうして…

私は自分が思っている以上に緊張していたことに気づいた



それとここまで重たい荷物を抱えていたせいもある



ちゃんと食べなきゃと思えば思う程手の震えは止まらなくてすごく焦った



吉野さんが食べ終わり浩介もペロリと食べてしまった




残してはいけないと思いながらも食べ終わった二人の前で一人食べ続けることも出来ず私は「ご馳走様でした。残してすみません」と謝った



吉野さんはニッコリ笑った



「さくらさんは見掛けによらず少食なんですね」



そう言われて恥ずかしくて顔が真っ赤になっているのが自分でもはっきり分かった



吉野さんにそう言われても仕方がない



私は中学と高校の6年間ずっとバスケ部



身長が170センチもあるから



運動部だったから普段は男の子と同じ位食べてた



こんなに食べられなかったのは生まれて初めてかも………





< 5 / 347 >

この作品をシェア

pagetop