あなたがいるセカイで
『そろそろ、帰ろっか。もう外暗いし、ね。』
俺は、桜井さんを諭すように声を宙に浮かした。
『…うん。』
用を済ませて、外で待つ桜井さんへと店の戸を開けた。
そこには、愛おしい位に小さな背中がより一層小さく瞳は映していた。
『お待たせ…』
その背中に、届くように声を掛けた。
『ねぇ…、見て。』
桜井さんが、ゆっくりと指差す方へと俺を誘う。
『すごい…』
『綺麗だよね。』
指差された公園は、沢山の色で飾られたライトで埋め尽くされていた。
彩る電飾は、点滅と共に時を動かした。