あなたがいるセカイで


『侑人、これからどっか行くの?…てか、予定とかってある?』



『いや、別にないけど…どうして?』



『そっか。侑人も、一緒に行こうよ。』


『えっ、どこに?』


『いいから、いいから。ね、行けばわかるから。』



そう言って、俺の腕を強引に引っ張っていた。



『どこ行くの?桜井さん。』


歩きながら、問いかけた。
でも俺の右腕は、彼女の左腕でしっかり包まれたまま。


『行ってからのお楽しみだよ。』



そう言い放って、俺を小さな背中が引いていた。



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