あなたがいるセカイで


言葉は出ないまま、夕日で焦げていく街を歩いてゆく。
オレンジ色は、視界をいっぱいにするのに時間はいらなかった。



『ここで、…』



桜井さんは、2つに別れた道の片方に体を半分向けて俺に合図をした。



『また、明日ね。…バイバイ。』



分かれ道で同じ合図を交わして、俺は桜井さんとは違う一方を歩き出した。



…明日。

桜井さんの言葉が、妙に違和感を感じて、頭の中をリピートしていた。



“じゃ、また明日。”


桜井さんの言葉に何故か気になっていた。
すんなり消化できない自分が、俺の思いに疑問を何度もぶつけていた。



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