Real進行形
「どれする〜?」

「そっちが決めて」

「え〜」


二人きりになると、急に静かになったような気がする。
二人で撮るのはこれが初めて。
隣に座るのさえ、恥ずかしくなってくる。


「あんな〜」

「ん?」


2、3枚撮った頃。
遊が緊張気味に話しかけてきた。


ぎゅ。


遊の手が、ウチの肩に触れ引き寄せられる。
そしてウチの身体が遊に触れる。

「笑」


いやいや、笑ってるけどこっちはそれどころちゃうって〜//

それでもシャッターは切られるから笑顔は絶やさない。

遊の手と身体は温かくって、全て溶かされそうやった。
恥ずかしくて離れたいけど、離れたくない。
そんな確かな時間。

彩夏と上里のことなんて一瞬忘れしまうぐらいに。
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