Real進行形
「あ〜腹立つ!」

「まぁまぁ抑えて」


イライラしながら遊の席を眺めるウチ。
そしてそれをなだめる、いつものメンバー。


「まぁあれは確かに、腹立つわなぁ」

「…」


席替えをして、遊の隣になったのは優子。
ウチとは、ほとんど関わりがなくあまり喋ったことはない。
明るく活発な少女で、彼女の周りはいつも賑やかだ。
ウチも彼女のことは嫌いではない。
良い子だと思っている。


「分かってんねん。なんもないことぐらい…」


そう。
ウチは優子にヤキモチを妬いていた。

去年、遊と優子は同じクラスだったらしく仲が良い。ノリが合うのだろう。
さっきも、授業中だというのに盛り上がり先生に注意されていた。


「でも、休み時間まで喋らんでもえぇやんか…」


さっきよりも小さな声で呟く。

分かってんねん。
ウチと遊は付き合ってりし、うまくいってる。
だからヤキモチなんか妬く必要ないって。
頭では分かってても心が付いていかない。

ただのワガママ。
違う。

…独占欲。
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