Real進行形
「どこ行く?」
教室から出ようとみんながしている時、隣に居る遊にそっと話しかけた。
「どっか教室空いてるやろ」
そういって二人で静かに教室を後にする。
今日は金曜日。
ほとんどの生徒は部活に行っている。
最終下校時間は6時なので、それまではだいたいどの教室も開いている。
話し合えそうな教室なんてすぐ見つけられた。
「…で、何?」
「ホンマに分からんの?」
「分からんから聞いてるんやん」
少し不機嫌そうな声を出す遊。
「いや、最近優子と仲良いから…」
「優子?ただの友達やん」
「うん…」
すでに怒りは冷めてしまっていた。
腹が立つのは喋ってる二人を見るときだけ。
どう怒ったら良いのかが分からなかった。
何より、せっかく二人で居るのにこういう話でその時間を潰すのはもったいない気がした。