被害妄想彼氏
ここに来たメンバーは、私、修司くん、慎二くん、由梨、慎一さん、修司くんの叔父さんの六人。


チヨちゃんとケツ子は留守番中。


カチャッ……
ドアが少し開いた。


!!!!


私達は凍り付いた。


「おー!狭子!!元気しとったか?」


その、狭子と呼ばれる女性は、とても陰気くさく、髪が黒く長い。


前髪と後ろ髪は同じくらいの長さ。
前髪で顔はよく見えないが、ちらりと目が見える。


「……ぃらっしゃぃ……………」


狭子はニタリと笑った。
いつのまにコレ、ホラーになったんすか。


「コイツは和泉節子。俺達の(元)お隣さんであだ名は狭子」


狭子は扉を開けたり閉めたりしている。


「ぅし、じゃあ狭子!茶でもだせ!!もてなせ!」


慎一さんの言葉にビクッとしながらも、狭子は台所に向かった。


「すごいなぁ。幽霊って本当にいるんだ」


修司くん。それ失礼よ………。


狭子の家…………狭っ
私も大概失礼か…。


かなり物が散乱して、足の踏み場が無い。


「相変わらず汚ねぇな~。おじさんとおばさんはおらんの?」


「旅行……」


「旅行?お前は行かへんかったんか?」


「……ワタシ…人混みとか苦手やから…………」


陰気くせぇ!!


「相変わらずやなぁ、狭子は」


慎一さんはガハハと笑って狭子の頭をクシャクシャにした。


「……お茶…どうぞ………」


狭子はクシャクシャの髪のままお茶を運んだ。
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