被害妄想彼氏
狭子って一体………何者?


………あ!修司くん、居た!
………けど何やってんの??


彼は道頓堀川に飛び込もうとしていた。


「駄目だって!怒られるって!!」


次の瞬間…………


ドッッッボ―――――ン!!!!


アホ―――――――!!


急いで道頓堀川を覗くと…修司くんは、ぷかぁっと浮いていた。


何やってんの、ヤツは!!!!


「と……とりあえず助けないと……」


私は川に入った。
修司くんが飛び込んだ所をほとんどの通行人が見ていたから、色々な人達が手伝ってくれた。


陸に上げられた修司くんは目を覚まさない。


「修司くん、修司くん?」


私は何度か修司くんを起こそうと頬をペチペチと叩きながら呼んだ。
結局修司くんは目を覚まさず、病院に運ばれた。


「まだ修司、目覚まさへんのか?」


皆が病院に集まった。


「アイツ……」


慎二くんは手で顔を塞ぐ。


「慎二くん……?」


「ちゃんと保険証持ってきてんで!!」


慎二くんは笑顔でそう言った。
………そうだよね。お金かかるもんね。


って違うだろぉ!!!


「頭に大きなたんこぶが出来てますので、川に落ちた時、どこかにぶつけたのでしょう。そのショックで今は気を失っています」


誰?…………あ、お医者さんか……。


「先生!患者さんが目を覚ましました!」


看護婦さんがそう言うと、先生と私達は病室へと入った。
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