被害妄想彼氏
「……退院…おめでとう………」


狭子……………アンタそれ、菊の花……


「ヒィッ」


修司くんは、狭子さんを見た瞬間、顔色が変わった。


「……っ!」


修司くんは私の後ろに隠れてガタガタ震えている。


「…ククク………無意識…?」


「くっ来るなぁ!!」


修司くんは逃走した。


もぉ………狭子…。
私ちょっと怒ってきた……。


「狭子さん!あのね?人の彼氏もて遊ぶ(?)の止めてくれないかな!」


「……クク…。だって面白いんやもん……」


「なにが!」


「…修司さん……ワタシのタイプやねんもん………」


………はぁ??
今この人何て言った??


「ちょ……真知子…。ややこしい時にややこしいライバルが出てきちゃったじゃん…」


私は絶句した。


「……記憶喪失やもんなぁ………ワタシにもチャンス…あるよなぁ……?」


何言ってんだ!!


「真知子ちゃん!気にする事ないよ!!この人恐いし、修司が好きなのは真知子ちゃんだよ!?」


「でもぉ、記憶喪失じゃ、好きだった事なんて覚えてないよねぇ?」


ケツ子……。


「……クク……ワタシ、修司さん捜してくる…」


「待てぇ!!」


私は狭子を追いかけた。
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