被害妄想彼氏
「ヤキモチ…?僕が?」


チヨちゃんは、ウンウンと頷いた。


「…そっか……僕は……」


お、思い出した?


「慎一さんが好きだったのか!!」


『………は?』


その場にいる皆が声を揃えて言った。


「おい、修司。きっしょい事言うなや。」


「慎一さん!アイラービュー!!」


修司くんは慎一さんにタックルした。


「っうぉ!?」


なんだコイツら………


「……っ!おい!修司!!ええ加減離せ!!しばかれたいんか??」


「しばいてくださいっ」


超キモイ。


「はぁ、記憶喪失になっても、変な所は変わらないのね……」


由梨はボソッとそう言った。


「暑苦しいねん!」


修司くんは蹴飛ばされた。


「もっとお願いします!」


……M男かよ。


「きっしょいわぁ。何やアイツ。」


やっと修司くんから解放された慎一さんが、私のもとへとやってきた。


「真知子。アイツの記憶が戻る様に、何かしろよ。」


なにかって………


「熱烈な愛の言葉を囁くとか。」


えっ


「早よしろや。男に迫られるのなんか楽しくもなんともないねん」


えっえっ


「はょしろやっ。」


イラついた慎一さんは私のお尻を蹴った。


……痛いし。
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