被害妄想彼氏
………愛の言葉…。


「真知子、もしかして、あんまり言ってあげてないの?」


え?うん。


「駄目じゃん!言ってあげなきゃ!!修司くん、可哀想だよ」


由梨が熱血に話す。


「……え、俺も言われた事無いねんけど……」


………由梨?


「……とにかく!ホラ、言ってあげなよ!!」


えぇ~~~~??
私は背中を押され、修司くんの目の前に立った。


「……………あ……」


『あ?』
(愛してる?)


皆そう言うと思ったのか……
私が言った言葉は……


「あ…あぃら~びゅ~……」


…何言ってんだ、私。
駄目だっ!!もっとちゃんとしたの言わなきゃ!!


私は俯いて自分の髪の毛をグチャグチャとかき回した。
私が顔を上げると、修司くんは、顔を真っ赤にしていた。


「………えっ?」


私はビックリした。


「もしかして、修司くん、照れてるの?」


由梨が嬉しそうに修司くんの顔を覗く。


「本当!修司、タコみたい!!」


チヨちゃんがそうからかった。


「違う!これは、タコの呪いなんだ!!さっき食べたたこ焼きのせいだ!!」


……あんた、どんだけ呪いにかかんのよ。


「呪いだぁああぁぁぁ」


そう言って修司くんはまた逃げた。
…どこ行く気なの……


「迷子になるよ、もう…」


私がそう呟くと、慎二くんが言った。


「大丈夫やって。あいつ何回か大阪来たことあるから。」


「……そうなの?」


「うん。今回ここ来たんは、訳があるからやねん。」


「え?どんな?」


「それは言われへんわぁ~」


なんだソレ。


「何回か来てたとしても、記憶喪失になっちゃったんだから意味ないよね?」


「え…そっか…」


頼むよ、本当に。
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