被害妄想彼氏
―次の日―
修司くんは退院した。
「てか、旅行に来て二回も入院ってなかなか出来るもんちゃうで」
慎二くんは笑って言った。
「確かにね。でも面白いからいっか!」
…由梨……あんた…
「着いた」
到着したホテルのウィンドウには、昨日のウエディングドレスが綺麗に飾られていた。
「綺麗…」
ウエディングドレスって、こんな綺麗なものだったんだ……
私はそう思いながら、そのドレスを試着する事にした。
「……思った通り……」
修司くんは私のウエディングドレス姿を見てため息をついた。
「ど…どうかな?」
私は照れながらも修司くんに聞いた。
「とっても綺麗だ…真知子ちゃん、いつか、このドレスを着て結婚式を挙げよう。」
…………………え?
そ……それって、プロポーズじゃ………。
「今すぐは無理だけど、高校卒業したら結婚したいと…思ってる」
…マ……マジすか。
「真知子ちゃん、俺と…結婚してくれる?」
…………………。
「………はい。」
私の答えは、ひとつだった。
パチパチパチ……
ん?誰?後ろを振り返ると、狭子が拍手している。
「狭子さん??」
「うわぁっ!呪われる!」
修司くんは本気でビビっている。
「クク…っ。呪いなんて……本当に…信じてたん……?」
え?どゆこと?
「アレはただの……作り話やで?せやのに…修司さん…なんか知らんけど、おかしなって……めっちゃ面白かったわぁ……クッ……」
え……てことは…アレは……
「…ようあるらしいねん……そうゆう話してて…自己暗示でそうなる子…」
「アホじゃん……」
私はそんなアホと結婚すんのか……。