被害妄想彼氏
「迷惑なのは分かってるけど…他に頼める人いないし…」


「だだだっだだだっだだ駄目だよ!」


…しゅ、修司くん。どもりすぎ…。


「こんなの書く前に慎二に相談しなよ!」


修司くんは紙を由梨に返した。


「でも…」


「由梨さん、慎二はそんな事で困るような奴だと思ってるわけ?自分の彼氏が信じれないの?」


「修司くん…」


「由梨さんがそんな人だとは思わなかった!」


「え…ちょっと修司くん!?」


修司くんはスタスタとどこかに歩いて行ってしまった。


「あはは…被害妄想な修司くんに『信じろ』なんて言われちゃったよ」


由梨…。


「とりあえず、座りなよ」


少し高めの花壇に座れそうなスペースがあった為、由梨をそこに座らせた。


「ありがと」


由梨は少しため息をついた。


「慎二くんに…言わなくていいの?」


私がそう言うと由梨は首を傾げた。


「真知子は…結婚する事に対して不安はないの?」


え…不安?不安といえば…。


「被害妄想な子供が出来るかなー…とか?」


そう言うと由梨は笑った。


「二人が羨ましいな。」


う…羨ましい?
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