被害妄想彼氏
「なんだかんだ言って、お互い信じてるもんね」


い、いや。そーでもないよ?


「被害妄想な修司くんが、真知子の事は信じられるなんて、凄いなあー…」


そ、そーか?


「修司くんって、信じれる人は本当に信じられるんだね。真知子もだけど…慎二の事も」


「そうなのかな…?」


私があいまいな返事をすると、由梨は笑った。


「由梨さーん!」


修司くんが戻ってきた。


「修司くん…あの、さっきはごめんね…」


由梨が謝ろうとすると、修司くんはこう言った。


「防弾チョッキ着てきた!もう大丈夫だよ!!」


…は?
そう言って私達の分の防弾チョッキを渡してきた。


「これで撃たれても大丈夫!」


……さ、さっきの怒って帰ったんじゃなかったんだ…。


てゆーか狙われてないっつの!


「由梨さん、一人の体じゃないんだから、ちゃんと身を守らないと!」


「ぶ…っ何でこんなの持ってんの?」


由梨はツボに入ったらしく、笑い出した。


「ありがとう、修司くん。私、慎二に話してみる。迷惑かけてごめんね」


そう言って由梨は防弾チョッキを着た。


「着るんだ…」


そして、防弾チョッキを着てはしゃぐ由梨を見て、なんだか安心した私。
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