被害妄想彼氏
ファーストキスも無事(?)に終わり…、夏休みも中盤。
修司くんとは毎日の様に連絡を取り合って、遊びに行ってるけど…


「おこずかい日までの残金がやばいなあ~。」


部屋でそんな事を呟いてゴロンと寝転がった。


チャッチャ~ラチャラチャラ~


……電話だ。


「はい、もしもし」


「あ、前川?」


誰?


「オレだよ~。原澤鉄雄!」


「ああ!」


電話の相手は中学の頃同じクラスだった男子だった。


「今どうしてるのかな~と思って」


「どうもしてないよ。元気だった?」


…普通の会話。そうだよ!!


私は最近『普通な日常』を過ごしていないような気がする!
それもこれも修司くんのせいだ。


「今度遊びに行かない?」


この誘いに、私は戸惑った。
私は彼氏がいるんだ。


「なんか奢るよ」


「行く!」



……早。
私はぇ~よ、決断。


『異常な日常』に疲れた私は、『普通の日常』の誘惑に負けてしまった。


というより“奢り”という言葉に?
私はがめつい女だったのか。


電話を切り、夜中なので寝る準備をした。


修司くんは今どうしてるかな……。
私はそう思いながら眠りについた。
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