被害妄想彼氏
「お邪魔します」


私は修司くんの家にあがった。
修司くん家は、言っちゃナンだけどボロアパート。


ギシ、という音が鳴る。


「あんまり音立てないでね、敵に気づかれるから」


………敵?


「突然どうしたの?」


……そうだ、私は『ケツ子』またの名を『自意識過剰女』対策に来たんだ。
ここばかりは、修司くんの『被害妄想』を利用させてもらおう。


「実は…さっき会った彼女、…えっと…ま、マフィアの下っ端で、修司くんの命を狙ってるの!」


「え!??」


修司くんは『まじで??』という顔をしている。


………信じたみたい。


「てことは武器を所持している可能性があるの??」


……そこまで考えてなかった。
…ケツ子は露出の多い子だし、武器を隠す場所なんてないよなあ。


………あ、そうか!


「乳!乳からミサイルが出るのよ!!」


「乳から!!!!」


修司くんはあっさり信じた。


「くそう…今までのは、ターゲットの近づいて油断させようという作戦だったのか!」


「そ、そうそう。…そうだ!修司くん、分かった以上、『俺に近づくな』って言いに行きましょう!」


「そうだね、このままじゃ命が危ない。」


「よし、じゃあ私もついて行くわ」


私はだんだん楽しくなってきた。
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