被害妄想彼氏
「修司くん、元気にしてたか?キミが3歳の時以来だな」


修司くんの叔父さんは、とても男前で、ちょっと修司くんに似ている。


「君達、お昼は食べて来たかい?」


今はお昼の三時。そういえばバタバタしてて何も食べてなかったっけ…。


「よければご馳走するぞ。彼女もどうだい?」


そう言っておじさんはウインクした。
私達はお言葉に甘える事にした。


おじさんはしゃぶしゃぶ店へと連れてきてくれた。
店の中で、叔父さんが修司くんのお母さんの話をした。


「優しい姉だったよ。真知子ちゃんに感じが似てたね」


「私にですか?」


私はキョトンとした。おじさんは私を見て微笑んだ。


「なのに、あんな事になっちまってなあ…」


おじさんは今にも泣きそうな顔になっていた。


『王様ゲーム!!』


…となりの個室では、合コンをしている。


『二番と五番がぁ~………キスー!!』


…なんて耳障りな声。
隣は暗いムードだとも知らずに。


すると、おじさんが口を開いた。


「お前ら、靴下脱げ」


おじさんは私達に靴下を脱ぐように命じた。


……なぜ?


私達は言われた通り、靴下を脱いだ。


それをおじさんに渡すと、おじさんは隣の個室へと向かった。
…何するつもりですか?


『じゃあ、一番と四番がポッキーキスー!!』


スパーン!!


ふすまが勢いよく開く音がした。


『な、何だよおっさん。邪魔すんなよ』


私は心配で様子を見に行った。
すると、おじさんは次の瞬間、信じられない行動に出た。
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