被害妄想彼氏
なんと、おじさんは靴下をそいつらのお鍋へと投げ入れた!


『うわあああああ!何すんだよ!おっさん』


『もう食えねえじゃねぇかよー』


皆はブチ切れ。
当たり前だけど。


「こっちがしんみりしてる時にうるせえんだよ!!」


おじさんもめちゃくちゃ切れてる。


やっぱ修司くんの血縁だな。
私はそう思った。


おじさんと私達は、店から追い出された。


「親父が変な事してすみませんでごわす」


デブが謝った。


「いやいや、謝ることないよ」


修司くんが言った。


「あのお鍋にはフグが入っていた。叔父さんはあのフグに毒が入ってるのに気付いたんだよ。だからあんな事をしてでも食べるのを止めたんだ」


…ってなんですかソレ?どぅやったらそんな風に考えられるんでしゃろか?


「はは、修司くんは面白いなぁ」


…変人二人が一緒だとロクな事がないだろう。


「おじさん、私達失礼します。ご馳走様でした。」


そう言って私は修司くんを引っ張ってその場から離れた。




私達は旅館に着き、中をウロウロしていた。


すると、修司くんが私の肩を叩き、ある方を指さした。


「真知子ちゃん、あれ見て。」


修司くんがさした方にはサンタの格好をした人が歩いている。



「何かあるのかな?クリスマスだし」


クリスマスの為の特別イベントとか?


「行ってみようか?」


修司くんがそう言うと、私は頷きサンタのもとへと向かった。
子供や大人が囲んでサンタは嬉しそうな表情をしている。


『やめてください』


……なのに、サンタは何故か困った声を出した。


「いいから教えろよ」


そこには、修司くんの叔父さんがいた。
サンタの足を地味に蹴り、なんだか…脅しているみたい。
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