被害妄想彼氏
「やった。サイズぴったり」


修司くんの手にも、同じ指輪がはめられて、ツリーの電球の光でキラリと光った。
私は感激のあまり涙目になっていた。


「ありがとう…」


「ぶえぇっっくしょいぁー!!」


………修司くんの鼻水が、私と指輪にかかった。
……ムード台無し。


「私も修司くんにプレゼントあるんだった」


私は顔と指輪にかかった鼻水を拭きながら部屋に戻った。


「マフラー!手編みじゃないけど…。」


「今寒いから丁度いいや~くしっ!」


修司くんはそう言ってマフラーを捲いた。


「あったかぁっ………ぶぁっくしっ!」


「本当に暖かいの?」


私達はケラケラと笑っていた。


外は星が綺麗だった。その後しばらくして電気が消えた。


「ぶえぇっくし!!」



修司くんのクシャミが、いつまでも響いていた…
……って全然ロマンチックじゃねぇし!!



こうして、私たちの温泉旅行は終わった…。


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