被害妄想彼氏
私は由梨に手を引かれて戻ってきた。


「真知子ちゃん、おソバ出来たよー」


修司くん、来てたんだ。
さっきは気がつかなかったが、修司くんの叔父さんとデブまでいる。


「よっす。ま~ちこちゃ~ん!いーじゃん。皆一緒の方が楽しいじゃん!」


「おいどんも楽しいでごわす!」


「…………おソバに靴下は入れないでくださいね」


『さぁ!今年もあと十分程で終わってしまいます!』


テレビから、カウントダウンが聞こえる。


「ほら、真知子ちゃん。座って食べな、年越してまうで」


私は慎二くんにそう言われ、大人しく座っておソバを食べた。


『それでは、10秒前!9…8…7…』


もうすぐで、新しい年。


『3…2…1…………』


ブォン!


……2006年と同時に、停電になった。


すると、あの男は


「2006年問題だ―――――!!」


………ナニソレ?


「2000年問題も、2006年に起こるのか??」


起こるワケ無いでしょ!
おじさん、アンタ大人なんだからしっかりしてくれ…。


「きゃあ~っ真っ暗でこわぁぁあい」


ケツ子が微笑しながら私にしがみつく。
なんとか問題よりこっちの方が怖いわ。


「慎二くん、ブレーカーどこ?」


「ああ、上げてくるわぁ。」


慎二くんは立ち上がり、部屋を出だ。
ガタガタタン!!


……慎二くんはどこかにつまづいて転けた。


「これじゃ、ブレーカーのとこまで行けへんわ~」


真っ暗だしね。


「ブレーカー上げても無駄だって!2006年問題なんだから!」


……修司くん。アナタちょっと黙っていてください。
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