被害妄想彼氏
「分かったぞ!君達は俺を騙し、シートベルトを締めさせず発車して俺を殺すつもりなんだろぉ!!分かってるんだからなぁ!?」


…分かってねーよ。


「命がいくつあっても足りないわ!俺は乗らない!!乗らないからなぁ!!!!」


そう言って乗り物からぴょいっと降り、出ていった。
私達一体に、寒い風がピュウッとふいた。


ジェットコースターを乗り終わった私達は修司くんを探した。
ジェットコースター乗り場の下で待っていたようだ。


「楽しかった?」


普通にそう聞く修司くん。


いやいや!アナタのせいで楽しめませんでした!!
どう落とし前つけてくれんだボケッ!!


…と言いたかったが、やめといた。
後ろで慎二くんはお腹を押さえながら大爆笑している。


「アヒャヒャヒャヒャ」


黙れ。かん高い笑い声に苛立ちを覚える。


「あ~ホンマおもろいわ~自分。」


慎二くんは修司くんの肩に手を置き、ずっと笑っている。
隣を見ると由梨も笑っている。


……ぅそん。全然面白くないですけど?
私一人取り残された感がある。


「あ…あはは……」


作り笑いで皆に合わせる。
それと同時に大きなため息が出た。


私達は気分直しに、アイスでも食べる事にした。


「おいし~」


さすがに機嫌も治った。
うん、単純だからね。
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