被害妄想彼氏
………!!!
「叔父さん??」
熊のきぐるみを来ていたのは、修司くんの叔父さんだった。
「グァァアー」
「何が『グァァアー』だ。お前は人間だろっ。目覚ませ、ドアホ!」
おじさんは救助員の人に頭を叩かれて正気に戻った。
「は……っ。そっか、俺…『山で熊に襲われた時の対処法を学ぶ会』で熊役をやって…」
………。
「………それからどうしたんだっけ?…思い出せないよ」
……とりあえず病院に行って下さい。
「真知子さん」
大和くんが私を呼んでいた。
「どうしたの?」
「さっきは助けてくれてありがとう」
そう言った大和くんのホッペは真っ赤っかだった。
カワイイ。
「全然良いよ。ケガしなかった?」
私がそう言って笑いかけると、大和くんも笑った。
――――チュッ
――――――ん?
今ホッペに…
「真知子さん、俺アンタに惚れたみたいだ」
大和くんはそう言って鼻をかいた。
………小学生に惚れられちまったよ。私は呆然としていた。
「大和!?何してんの??」
修司くんもびっくりしていた。
「俺はあと五年すれば修司兄ちゃんより男前になってるぜ!真知子、待ってろよ!」
……おいおい、勝手に呼び捨てすんなよ。
「グァァアー」
「武田ー!だからお前は人間なんだってば!!」
呆然としている私達の後ろでおじさんは暴れていた。