被害妄想彼氏
正直……キモイ。
年は30代半ばで、小太り。もう春といっても、肌寒さは残るのに、大量の汗。
常に『ハァーハァー』と息をしている。


たまに鼻ですると、『ピー』とゆう音をだす。
頭に巻いているバンダナは、オシャレのつもりなのだろうか…。


ハッキリ言って…アキバ系だ……。


「宇宙人だ…」


修司くんは驚いた様な顔でアキバ系男を見ている。


「だっでなに゛い゛っでるか分から゛ないもん!」


…アンタもね。


「な、なんだねぇ、チミは!」


アキバ系男は気持ち悪いポーズを取りながら、驚いている。


「ととと、とりあえず、そこの男ぉ!チヨリンをいぢめるなぁあ!!」


アキバ系男は慎一さんを指さしながら言った。


「だまれ゛!宇宙人め゛!!」


修司くんは、アキバ系男に飛びかかった。


「慎一さ゛ん!宇宙人確保し゛ました゛!!」


「うむ、ご苦労。褒美をやろう」


そう言って慎一さんは修司くんの鼻にストローを刺した。


「ぶぉっ」


「それで鼻水出しとけ」


……S男のちょっとした優しさらしい。
慎一さんはアキバ系男を、警察署まで連れて行った。


「ありがとー。修司」


チヨリンは安心して胸を撫で下ろした。


「い゛ぇいえ」


修司くんは、鼻に刺さったストローを抜いた。


「あれが宇宙人かー。椿初めて見た。人間そっくりなんだね。」


「椿…お前頭おかしいよ。修司兄ちゃんも。」


大和くんは呆れていた。
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