被害妄想彼氏
「お礼にメロンソーダ奢るね。修司好きだったもんね。」


………。


「てゆうか、修司兄ちゃん、別れてからも千代子さんと会ってたんだ?」


大和くんがさりげなく聞いた。


「え?う゛ん」


修司くんはティシュで鼻をブビーと音を出してかんでいた。


「ショック?」


ハゲ天使が私に聞く。


「とりあえず、注文していい?」


私は話題をそらした。
別に元カノと会ってよーがどーでもいいし。


「お待たせしましたぁ!メロンソーダになります」


ハゲ天使2号の笑顔が眩しい。


「連絡とってるって事は、ヨリもどしたいんじゃないのかな~?」


ハゲ天使が横目で私を見た。
……何が言いたいんだ、このハゲは。


「おい、椿止めろよ。そんなシャレになってないこと言うの。」


………大和くん。フォローになってないから。


「でも、真知子。二人が付き合ってたのって、小学六年生の頃だし、気にすることないよ」


大和くんの優しさが身にしみる。


「分かってないなぁ。いくら前でも好き同士だったんでしょ?時なんて関係ないよ」


「水さす様な事言うなよ」


この春から中学生になる若者が、恋愛を語っている。


大人だなぁ…。
私は遠い目で彼等を見ていた。


「千代子さんの初エッチの相手は、修司お兄ちゃんだったんでしょ?」


…………このハゲ天使は、何て事を聞くんだ。
小学六年生でセックスなんてするワケが…


「そうだよ」


え―――――――――――――????
アンタら…小学生でするなんて犯罪ちゃいますのん?


私はジュースを飲んだ。


「ねぇ~。修司お兄ちゃんは真知子お姉ちゃんはもうしたの?」


この発情期なハゲ天使が。


「え゛?」


聞いとけよ。


「ね、ね、修司!前した約束、忘れてないよね?」


ハゲ天使2号はそう言った。
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