被害妄想彼氏
セレブの考えている事はよく分からない。
たかが…いや、たかがとか言ったらアレだけど、誕生日会に、結婚披露宴の会場を使うなんて。


ここで、リッツパーティでもする気か?
てかリッツパーティをしている人って本当にいるのか?


どうでもいいことだけど。
私は…………激しく場違いだ。


唯一のいっちょうらを来てきたはいいが…。
高校生がそう簡単にセレブ級のドレスを買うのは無理な話だ。


「マジこれ、ウマくねぇ?」


「最強にヤバイ!ありえなくねぇ?」


………………てかヤマンバギャル……
…………何故いる?


「おせぇぞ、ハゲ!」


「ハゲじゃないです!」


慎一さんと千代ちゃんだ。


「おー真知子!」


慎一さんは会うなり私の二の腕をバシバシと叩いた。


…痛いから。


「二人はもう、付き合ってるんですか?」


私は慎一さんに聞いた。


「付き合ってへんし、そもそもこいつ無理。すぐビビんねんもん」


……………な……


「頑張りますから!」


頑張るなよ。


「真知子ちゃん…どうしよう……。私、慎一さんの彼女に向いてないのかなぁ?」


千代ちゃんは涙目で私に聞いた。


……あの人の彼女に向く人っていんのか?
慎一さんを満足させるM女は存在するのか…。
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