被害妄想彼氏
「ミツルー」


「おー。順」


「ぶふっっ」


私は失礼ながらも吹き出した。
『ミツル』と呼ばれるこの人は、この前見たニワトリ男だ……


……ダメだ…。面白すぎる。


「真知子?どうしたの?」


「え、ぃや……ぶっ」


ニワトリ男の頭は私のツボらしい…


「っと、今から学校行かなきゃなんねんだった」


そう言ってニワトリ男は更衣室へと入って行った。
………はぁ。笑い死にするかと思った…。



一方その頃、修司と武田親子は……


「いつ帰ってくんだろー」


修司はダラけながらボヤいていた。


「そのウチ帰ってくるんじゃないスか?修司先輩、プリン食べます?」


「食べたい!」


修司は無我夢中でプリンを頬ばっていた。


「てか、お前ら知り合いだったんだなぁ」


「ほぅっふよ。きょのまへ…」


「飲み込んでから言えよ」


………ゴクン。


「この前アイツ、真知子ちゃんにチューしたんですよ。」


「マジかよ」


叔父はケラケラと笑っていた。


「笑い事じゃないですよ」


叔父はまだケラケラと笑っていた。


「アイツ、人からかうの好きだな~」


「からかうレベルじゃないですよ」


修司は少し怒った口調で言った。


「………………お前もしかして知らないの?」


「…何がですか?」


叔父はまた笑った。
< 95 / 143 >

この作品をシェア

pagetop