女子高生夏希のイケメン観察記
「野暮な質問がいくつか。
 伊達政宗って、本物?」

智さんがおずおずと口を開く。

「却下」

久遠さんが即答する。
それから、呆れた瞳で智さんを見た。

「本当に野暮な質問だな。
 ヤキが入ったんじゃない?」

「聞いてみたかったんだよ。
 俺が打った刀、どう思ってるか」

智さんが至極真剣に言う。

「……この、刀バカが」

久遠さんは呆れたように言葉を吐いた。

「……何~?」

絡み合う二人の視線が険しくなってきて小競り合いでも始まるか、と思った矢先。
奏さんが、パンパン、と、拍手(かしわで)のように手を打った。

「あれだけ、庭中の大木を切り倒してたんだから、それなりに気に入ってたと思っていいんじゃないの?」


っていうか、あれね。
久遠さんと智さんって、気分によってじゃれ合ったり、小競り合いを始めたりするのね。

……知らなかったわ。
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