女子高生夏希のイケメン観察記
私は、一瞬智さんを見上げた。

「俺には記憶が無い箇所があるから、出来たら夏希ちゃんから説明してもらえると嬉しいんだけど。
 でも、無理なら俺から話すよ?」

優しい心遣いと、柔らかい視線がほんのり嬉しい。
でも、伊達さんの記憶がないなら私が言ったほうが早い。

それに。
母親のことは、私が直接言わなければ駄目よね。


ごくりと、唾を飲み込んで決意を固める。

「ゴーストバスターは、秘密を絶対漏らさない。
 そこは、信頼してもらえたら嬉しいんだけどね」

奏さんがわざわざ言い添えてくれた。

もっとも、いくら私がおバカだと言っても、ハナから信頼してない人たちと10日間も一緒に過ごすわけがないじゃない。
そうよね、信頼しなきゃだわ。

覚悟を決めた私は、母親のこと、伊達さんのことをかいつまんで説明することにした。

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