女子高生夏希のイケメン観察記
伊達さんの「クロ」発言。
お母さんの「クロ」疑惑。

そして、「クロ」というのが、昔伊達政宗が作ったという「黒脛巾組」という忍者集団の略称であると思われること。


「それ、巫女さんが言ったの?」

奏さんも、あの美女のことを『巫女さん』と言った。

「ううん。
 殿……っていうか、私の担任の先生が何故だか急に現れて。
 教えてくれたの」

「……殿?」

意外にも、素っ頓狂な声をあげたのは久遠さん。

「ああ、なんていうかそう、自称されてるんです。
 本名秘密主義倶楽部の会長だとかなんとか言って……」

と、説明してみたものの、三人とも聞いてない。

「もしかして、あの、伝説の……」

久遠さんが呟く。

「誰よりも、自分を愛するという……」

それを受けて奏さんが、呟く。

「うわぁ。俺、何で記憶が無いんだろう、もったいないっ」

最後、がっくりしているのは、何故か智さん。
< 146 / 163 >

この作品をシェア

pagetop