女子高生夏希のイケメン観察記
それから、ひそやかに作戦会議が始まった。

もちろん、ゴーストハンター未経験者の私は、会話に参加することなんて出来ないし、実は言っている言葉の意味もよく分かっていない。

「なっちゃん。
 夕食の材料、買ってきてくれない?」

困っている私に、奏さんがメモを渡してくれる。

四人分の食材だわ。
きっと、料理上手な奏さんが作ってくれるに違いない。

私が夕食の買い物をすませて、戻ってきたときには、三人ともリビングで思い思いにくつろいでいた。

「ありがとう。
 なっちゃんも、リビングでくつろいでいていいよ。
 今日は一日ばたばただっただろ?」

……ええ?

鬼の霍乱ってやつかしら。

優しい声に、私は思わず奏さんをまじまじと見つめてしまった。


だって、この10日間、ちっとも休みを与えずに私を働かせていたのは、あなたでしたよね、店長!?
< 148 / 163 >

この作品をシェア

pagetop