女子高生夏希のイケメン観察記
ぐいぐいと、迷うことなく(彼はここに住んでいるんだから当たり前なんだろうけど)私を連れてどこかに向かう、和風イケメン。
「あ、あの……っ」
がらり、と。
乱暴とも言える仕草で、ふすまを開ける。
そこは5畳ほどの畳の間で、向かって右側にお茶の道具がそろえてあった。
「奏。
客人をお連れした」
耳に心地良い低い声が告げるその言葉は、ややもすれば時代錯誤な言い回しなのに何故かとてもしっくりしている。
「入っておいでよ」
向こうの部屋から、店長の柔らかい声。
うっと。
躊躇ったのが彼の手のひらから伝わってきた。
……そういえば、私。
いつ、この手を放すべきなのかしら?
「……そこに、久遠はいるのか?」
「あはは、大丈夫だって。まだ来てないから」
「そうか」
というと。
無作法にもたったまま、彼は隣にある茶室へと足を勧めた。
もちろん、私も立ったまま入る形になる。
……良かったんだっけ、これで。
なんとなく違和感は感じるものの、茶道の作法なんて知らない私にはどうすることも出来ない。
室内には、お湯の沸く柔らかな音が響いていた。
店長は優美な仕草で茶器に華を生けている。
な、何?
この、あからさまに異世界な雰囲気はっ。
「あ、あの……っ」
がらり、と。
乱暴とも言える仕草で、ふすまを開ける。
そこは5畳ほどの畳の間で、向かって右側にお茶の道具がそろえてあった。
「奏。
客人をお連れした」
耳に心地良い低い声が告げるその言葉は、ややもすれば時代錯誤な言い回しなのに何故かとてもしっくりしている。
「入っておいでよ」
向こうの部屋から、店長の柔らかい声。
うっと。
躊躇ったのが彼の手のひらから伝わってきた。
……そういえば、私。
いつ、この手を放すべきなのかしら?
「……そこに、久遠はいるのか?」
「あはは、大丈夫だって。まだ来てないから」
「そうか」
というと。
無作法にもたったまま、彼は隣にある茶室へと足を勧めた。
もちろん、私も立ったまま入る形になる。
……良かったんだっけ、これで。
なんとなく違和感は感じるものの、茶道の作法なんて知らない私にはどうすることも出来ない。
室内には、お湯の沸く柔らかな音が響いていた。
店長は優美な仕草で茶器に華を生けている。
な、何?
この、あからさまに異世界な雰囲気はっ。