女子高生夏希のイケメン観察記
午後のお茶会にしては、余計な緊張の糸が絡み合っている気がする。
それを柔らかく破ったのは、店長、こと奏さん。
「で、こんなレアもの、何処で手に入れたのさ?」
「最近出来た新しい喫茶店のマスターに貰った」
おいしそうに紅茶を啜りながら、横柄に答える久遠さん。
「……喫茶店?」
私は思わず呟いてしまった。
だって、上から下までどう見ても、和装(髪だけは金髪だけど)青年に喫茶店だなんて。
ものすっごーくミスマッチな気がするんですけど。
「ああ、そうだ。
俺の趣味は喫茶店で美味しい紅茶を飲むことだ」
悪びれもせずに、久遠さんが口を開く。
私はさらに目を丸くせずにはいられない。
「だって、茶道の家元……なんですよね?」
「あ、なっちゃんっ」
奏さんが慌てて止めるけれど、もう遅い。
「奏、お前はいつだっていちいち余計なことから話す」
ぎろり、と。久遠さんが奏さんを睨む。
その目力たるや、相当なものだ。
「だって仕方が無いじゃないか。
突然和服の人間がやってきたら、不自然だろう、普通」
奏さんの反論に、久遠さんが静かに言った。
「じゃあ、智のことは説明したんだろうな?」
途端。
折角緩んだ緊張の糸が、再びピンっと音を立てて張られた、気がした。
それを柔らかく破ったのは、店長、こと奏さん。
「で、こんなレアもの、何処で手に入れたのさ?」
「最近出来た新しい喫茶店のマスターに貰った」
おいしそうに紅茶を啜りながら、横柄に答える久遠さん。
「……喫茶店?」
私は思わず呟いてしまった。
だって、上から下までどう見ても、和装(髪だけは金髪だけど)青年に喫茶店だなんて。
ものすっごーくミスマッチな気がするんですけど。
「ああ、そうだ。
俺の趣味は喫茶店で美味しい紅茶を飲むことだ」
悪びれもせずに、久遠さんが口を開く。
私はさらに目を丸くせずにはいられない。
「だって、茶道の家元……なんですよね?」
「あ、なっちゃんっ」
奏さんが慌てて止めるけれど、もう遅い。
「奏、お前はいつだっていちいち余計なことから話す」
ぎろり、と。久遠さんが奏さんを睨む。
その目力たるや、相当なものだ。
「だって仕方が無いじゃないか。
突然和服の人間がやってきたら、不自然だろう、普通」
奏さんの反論に、久遠さんが静かに言った。
「じゃあ、智のことは説明したんだろうな?」
途端。
折角緩んだ緊張の糸が、再びピンっと音を立てて張られた、気がした。