女子高生夏希のイケメン観察記
「それより、ほら。
 今日はなっちゃんの面接。
 あのテレビのせいで、いっぱいお客さんが押しかけてきて僕だけじゃ手に負えないんだって。
 頼むから、雇ってあげてくれない?」

……店長って、オーナーじゃないんですね?

「花屋のアルバイトの時給って、いくらくらいなんだ?
 千円?」

「まぁ、そんなとこ、かな」

多分、高めだと思うんですけど。
もっとも、私にとっては美味しい話なので、あえて口を挟まない。

「あ、でも、ほら。
 なっちゃんって、智のこと気に入ってるからさ。
 ここで住み込みしてもいいって言ってんだ、よね?」

……はい~?
私、そんなこと言った覚えは……。

奏さんの言葉に私は目を剥いた。

「……えっと、奏さん?
 っていうか、店長?」

< 29 / 163 >

この作品をシェア

pagetop