女子高生夏希のイケメン観察記
4.娘の値段は「×万円」
馬のエンブレムが良く似合う騒々しい赤い車を、オープンにして走らせる。
どう考えてもその和装とはミスマッチだと思うのに、それすらも不自然に見せないところが久遠さんの凄いところだと、私は少しだけ分かり始めていた。
私は、と言えば。
この顔だけは美形のオレサマ男に
『夏希は智のことが好きなんだろう?
一緒に住むか、二度と逢えないか。
どちらか好きなほうを選ばせてやる。
ほう? どちらも嫌だと?
じゃあ、俺様がお前を頂いてもいいわけだ……』
と、理不尽にも危うく高級車の中で組み敷かれそうになって、慌てて逃げ出し、ほとんどマインドコントロールのようにうちの場所を彼のカーナビに入力した後で、ぐったりしていた。
最低だ、最低。
どうしてこんなヤツが茶道の家元なんてやってるのか……。
私は、ふと、片手でフェラーリF430Spider(何故か三度も聞かされたので、覚えてしまいましたっ)を捌いている久遠さんに目をやった。
「あの、本当に茶道の家元なんですか?」
クッと、久遠さんは喉を鳴らして笑う。
横顔さえも、腹が立つほどかっこいいのだけは、認めないわけにはいかない。
「当たり前だろ。
他に何に見える?」
……ええーっと、それ、正直に答えたら私、生きて帰れない気がするのでノーコメントでお願いします……。
どう考えてもその和装とはミスマッチだと思うのに、それすらも不自然に見せないところが久遠さんの凄いところだと、私は少しだけ分かり始めていた。
私は、と言えば。
この顔だけは美形のオレサマ男に
『夏希は智のことが好きなんだろう?
一緒に住むか、二度と逢えないか。
どちらか好きなほうを選ばせてやる。
ほう? どちらも嫌だと?
じゃあ、俺様がお前を頂いてもいいわけだ……』
と、理不尽にも危うく高級車の中で組み敷かれそうになって、慌てて逃げ出し、ほとんどマインドコントロールのようにうちの場所を彼のカーナビに入力した後で、ぐったりしていた。
最低だ、最低。
どうしてこんなヤツが茶道の家元なんてやってるのか……。
私は、ふと、片手でフェラーリF430Spider(何故か三度も聞かされたので、覚えてしまいましたっ)を捌いている久遠さんに目をやった。
「あの、本当に茶道の家元なんですか?」
クッと、久遠さんは喉を鳴らして笑う。
横顔さえも、腹が立つほどかっこいいのだけは、認めないわけにはいかない。
「当たり前だろ。
他に何に見える?」
……ええーっと、それ、正直に答えたら私、生きて帰れない気がするのでノーコメントでお願いします……。