女子高生夏希のイケメン観察記
「嫌だね。
君たちを二人きりに、したくなくてここにいるのに」
……どうして?
「奏らしくないなー、そんなこと言って。
何を俺に秘密にしてるのさ」
智さんが唇の端を歪める。
「秘密?」
奏さんも、鳶色の瞳を細めつつ、形の良い唇を微かに歪める。
軽く傾げた首に合わせ、柔らかそうな茶色い髪がさらりと揺れた。
「僕はただ、なっちゃんを自分のモノにしたいだけだよ。
邪推は無用」
「うそ……」
と、私が呟く声に被せるかのように智さんが言う。
「奏らしくない、見え透いた嘘は止めてくれない?
本気で落とすならとっくに落としてるだろう?
10日もあったのに」
「あいにく、陰でこそこそするのは苦手なタイプで」
「それは初耳」
……友達同士の会話とは思えない。
一言一言交わすたびに、火花が見えてくるような重たい会話がいつもの口調で続いている。
君たちを二人きりに、したくなくてここにいるのに」
……どうして?
「奏らしくないなー、そんなこと言って。
何を俺に秘密にしてるのさ」
智さんが唇の端を歪める。
「秘密?」
奏さんも、鳶色の瞳を細めつつ、形の良い唇を微かに歪める。
軽く傾げた首に合わせ、柔らかそうな茶色い髪がさらりと揺れた。
「僕はただ、なっちゃんを自分のモノにしたいだけだよ。
邪推は無用」
「うそ……」
と、私が呟く声に被せるかのように智さんが言う。
「奏らしくない、見え透いた嘘は止めてくれない?
本気で落とすならとっくに落としてるだろう?
10日もあったのに」
「あいにく、陰でこそこそするのは苦手なタイプで」
「それは初耳」
……友達同士の会話とは思えない。
一言一言交わすたびに、火花が見えてくるような重たい会話がいつもの口調で続いている。