女子高生夏希のイケメン観察記
「なんなら、今夜にでも試してみる?」

智さんの言葉に色気が増す。

えぇえっとぉ。



「……もう、面倒だからなっちゃんが誤解してそうだけど、止めないよ?
 二人のそういう猿芝居」

奏さんが冷たい視線と空気も凍りそうな冷たい言葉を投げて面倒そうに言って止めた。
……止めた、んだよね?

猿芝居!?

「いいじゃん、別に。
 真面目に生きてたら息詰まるよ?」

久遠さんが軽い調子で返す。

「……どう考えても、お前らが不真面目すぎるんだよっ。
 なんなら今夜、いくところまでいっちまえ」

奏さんがキャラクターが変貌したかと思われるほど乱暴な口調で言い捨てた。
ついでに、なにやら問題発言まで……!

うわぁ、いつも笑顔なだけに、空気が引き締まる。

智さんと久遠さんは顔を見合わせて肩を竦めた。


ああ、なんとなく透けて見える気がするわ。
奏さんが生徒会長をやっていた頃の、彼らの関係。

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