永遠の絆

目の前に置かれているチャーハンからは、まだ湯気がでていて折角作ってくれたチャーハンを残したら悪いと思って、あたしは食べる気すら全然ないけどスプーンに手を伸ばした。

チラッと前を見ると翔はうっすら微笑んでビールを口に含む。

あたしはそのまま視線を落としてチャーハンを口にした。


口の中にチャーハンが広がる。

久しぶりの夜ご飯だし、それが翔が作ったやつと思えば何だか泣きそうになってきた。


「美味しい…」

「良かった。って言っても俺、卵割っただけだけど」


翔は苦笑いをしながら残りのチャーハンを平らげた。

思わず釣られて軽く微笑と、翔はまたうっすら笑い、あたしは少しずつチャーハンを口に運んでいった。


翔はビールを口に含むとポケットからタバコとライターを取り出し、テーブルの隅に置いてあった灰皿を持って立ち上がりベランダへと向かった。




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