永遠の絆

カチッと音を鳴らし火を点けた後、「何、食う?」と端に立ててあるメニューをテーブルの真ん中にポンっと置く。


男はテーブルに肘を付きタバコを咥えたまま、そのメニューに視線を落とす。

その姿に一瞬、言葉を失ってしまった。

正面で見るこの男の顔にあたしの目は停止してしまった。


端正な顔だとは思っていたが、ここまで端正な顔だとは思わなかった。

だから余計に呆然としてしまった。


今時、こんな男が居るのか?と思うくらいで。

きっと世の女はこー言う顔の男を求めるんだろうと。


なのに、なんであたしを誘った?


「おーい、聞いてる?」


不意に聞こえてきた声にハッとし視線を合わせると男はあたしの目の前で手を軽く振ってた。


「いらない」


素っ気なく返すあたしは男から視線を逸らし、小さく息を吐き捨てる。

ほんと、なんであたし来たんだろう…


「は?何で?」

「余計な金使う」

「馬鹿か、お前は…」


本当に馬鹿にした様に鼻で笑い、タバコの煙を吐き出していく。

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