永遠の絆

「さぁ、食べよ」


そう言って、ママは椅子に腰を下ろす。

カウンターキッチンから見えるのは椅子に座ったママの背中で…、その背中がなんだか悲しそうに見えた。


だけど、そんなママと一緒に居られないあたしは、


「後で食べる…」


そう言って、鞄と雑誌を持って自分の部屋に駆け込んだ。


駆け込んですぐにベッドに倒れ込み、布団に包まる。


“美しく咲いてほしい…”

ママはあたしにそんな事を思ってつけてくれたんだ。


初めて聞いた名前の由来に何だか胸が苦しくなった。


“ごめんね…”


あたしはママにそれしか言えない。


あたしはそんな女じゃないし、あたしはそんなイイ子でも何でもない。


身体の底から沸き上がってくる感情が涙に変わりそうだった…。




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