永遠の絆

「盗み聞きしてんじゃねぇよ」


あたしの背後から、やっぱり聞きなれた声が飛んできた。


その声を無視して足を進めるあたしに、


「おい。美咲」


低い声がまたまた飛んでくる。


とりあえず足を止めて振り返り、ドアの前に立つ一人の男を見上げる。


制服を着崩して短髪の薄い茶色の髪を無造作に立たせた男。

開かれたシャツの隙間からゴールドのネックレスが光っていて、ズボンのベルトループからウォレットチェーンが垂れ下がっている。


新田諒也…


校内一の唯一のアタマでイカツイ男。

諒ちゃんに文句を言える人なんて一人もいない。


だけど、その諒ちゃんに文句を浴びせたのは、このあたしだ。


「何?」



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